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修道記 1
高野山では得度(剃髪出家の儀式)のあと、授戒がある。

菩薩三聚浄戒 、求寂戒、苾蒭戒のみっつを授かる。

項目としては約260。


戒律は守るべきだけれど、通常の生活では守れないことが多い。

例えば、酒を飲んではいけないという戒律があれば、飲んではいけないのである。

少量なら良いとか、飲んでも飲まれなければ良いとか、

飲んでも悪いことをせず言わず、心やすらかになれば良いとか、
 
酒を酌み交わすことで檀信徒と心が通うから功徳になる、とか、

自分に都合の良い理由や、自己の正当化をしても、駄目なものはダメなのである。

だから、
 
破戒していることを認識して、毎日懺悔反省するべきである。

 
戒律には、

~してはいけない

というものと、

~するべきである

がある。


先の三聚浄戒は、

・戒律を守りなさい

・善いことを続けなさい

・一切の人々の利益になることをしなさい

ということ。

そして、密教で大切にしているのが

・正法を捨ててはならない
・菩提心を捨ててはならない
・正法を伝えることを惜しんではならない
・衆生を利益しないような事があってはならない

の四つ。


さらに、

思いやり(慈悲)の心は、

自に重く他に軽いところが改善され、

自他平等に生きることになるから、悪が滅び、心は清涼になる。だからこの心は戒である。


道を求め勉強することは、

最勝の智慧に到達することであり、そうすれば悪を調伏し、善を増長し、心清涼になるから、これも戒である。


心をまとめ、静かに観察することは、

自己の中に仏を観、他の中にも仏を観ることであり、

仏(宇宙法界)自他のみっつが平等であるという心になるから、

智慧と慈悲が無限になり、

俺が俺が、の心ではなく、すべてに通じる一心が現れ、

すべての戒が円満する。


授戒の後、加行という修行過程に入る。

これにはいくつかのカリキュラムがある 。

理趣経加行  一七日 
護身法加行  一七日 
十八道加行  五十箇日
金剛界加行  五十箇日 
胎蔵界加行  五十箇日 
護摩加行   五十箇日 

この214日間のうち、約90日を加行道場にて集団で行い、

残りは自分ひとりで、随意の場所で行う。

これによって、

歩く時には自然に両足が交互に前へでるように修法の作法が身についてくる。

この段階は所作タントラと呼ばれ、

その後、数年をかけて、行タントラ、瑜伽タントラの勉強と実践を日々の生活の中で行うこととなる。



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[ 2017/05/29 09:26 | Comments(0) | 行法日誌・食と心 ]

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