なぜ食べるのか、について『古ウパニシャッド』には、
一切の有情は食より生じ、生じた彼らはまた食によって生命を保ち、死後に再び食に帰入する
とあります。
初期仏典では、食物に対する厭想・不浄観の瞑想、つまり、食べ物や食べることは厭うべき汚れたことと観想しましたが、これは貪欲(むさぼりの心)を退治する方法のひとつでした。
密教では、
心の中に三十七尊(マンダラの中心仏)を観想し、その仏に食を供養し、仏から食を供養され、無量の福と化す
と観想します。
『釈氏要覧」には、修行者に食事が必要な理由が書かれています。それは、
1、食事は、飢餓の苦行をすることを否定するため
2、自己の細胞を生かして与えられた命を大切にするため
3、施主の功徳を受けるため
4、肉体四大を調えて仏道修行するため
そして、『蘇悉地経』には、
一日一食とせよ、むやみに断食すべからず、多食すべからず、全く少なくすべからず、食に疑いあればこれを食すべからず
とあります。
前回のページに書いた「五観」の中に、
心を防ぎ、過を顕すは、三毒に過ぎず
(みつには、心をふせぎ、とがをあらわすは、さんどくにすぎず)
『意味:善心を妨げ過ちを起こすのは、貪りと瞋りと愚痴なることを思う』
とありますが、これは、
おいしいからと貪らず
まずいと言って怒らず
並みのものだからといって愚痴をこぼさない
という食事の姿勢。
また、「正食偈(しょうじきげ)」にあるように、
普段の食は肉体を長養し、坐禅瞑想などの修行そのものも食であり、それは悟りの智慧を養う、
という考えかたです。
坐禅瞑想して心が静かになる悦び
悟りの教えを聞いた喜び
これが、食事の喜びと同等であり、食事はそのためにある、悟りの境涯を育むために食を受ける、というのが食時作法の眼目です。
食べる時には心の中で『誓願偈』を唱えます。(ひと口目だけ)
為断一切悪 為修一切善
為度一切生 為回向仏道
ご飯をひと口入れて、
一切の悪を断つために、と思う。
ご飯をひと口入れて
一切の善を修するために、と思う。
ご飯をひと口入れて
全てのいのちを救うために、と思う。
お汁をひと口入れて
仏道に回向するために、と思う。
こうして食べることは、
戒律を守り(つまり悪しきことを断つ)、善きことに励み、他を助け救う
という大乗仏教の三聚浄戒(さんじゅじょうかい)を実践することにつながります。
ところで、大食は四大不調の原因になりますが、『出曜経』九には、大食の五患が説かれています。
それは、
1、 大便しばしば
2、 小便しばしば
3、 睡眠多し
4、 身重く修行に堪えず
5、 患多く食消化せず
一切の有情は食より生じ、生じた彼らはまた食によって生命を保ち、死後に再び食に帰入する
とあります。
初期仏典では、食物に対する厭想・不浄観の瞑想、つまり、食べ物や食べることは厭うべき汚れたことと観想しましたが、これは貪欲(むさぼりの心)を退治する方法のひとつでした。
密教では、
心の中に三十七尊(マンダラの中心仏)を観想し、その仏に食を供養し、仏から食を供養され、無量の福と化す
と観想します。
『釈氏要覧」には、修行者に食事が必要な理由が書かれています。それは、
1、食事は、飢餓の苦行をすることを否定するため
2、自己の細胞を生かして与えられた命を大切にするため
3、施主の功徳を受けるため
4、肉体四大を調えて仏道修行するため
そして、『蘇悉地経』には、
一日一食とせよ、むやみに断食すべからず、多食すべからず、全く少なくすべからず、食に疑いあればこれを食すべからず
とあります。
前回のページに書いた「五観」の中に、
心を防ぎ、過を顕すは、三毒に過ぎず
(みつには、心をふせぎ、とがをあらわすは、さんどくにすぎず)
『意味:善心を妨げ過ちを起こすのは、貪りと瞋りと愚痴なることを思う』
とありますが、これは、
おいしいからと貪らず
まずいと言って怒らず
並みのものだからといって愚痴をこぼさない
という食事の姿勢。
また、「正食偈(しょうじきげ)」にあるように、
普段の食は肉体を長養し、坐禅瞑想などの修行そのものも食であり、それは悟りの智慧を養う、
という考えかたです。
坐禅瞑想して心が静かになる悦び
悟りの教えを聞いた喜び
これが、食事の喜びと同等であり、食事はそのためにある、悟りの境涯を育むために食を受ける、というのが食時作法の眼目です。
食べる時には心の中で『誓願偈』を唱えます。(ひと口目だけ)
為断一切悪 為修一切善
為度一切生 為回向仏道
ご飯をひと口入れて、
一切の悪を断つために、と思う。
ご飯をひと口入れて
一切の善を修するために、と思う。
ご飯をひと口入れて
全てのいのちを救うために、と思う。
お汁をひと口入れて
仏道に回向するために、と思う。
こうして食べることは、
戒律を守り(つまり悪しきことを断つ)、善きことに励み、他を助け救う
という大乗仏教の三聚浄戒(さんじゅじょうかい)を実践することにつながります。
ところで、大食は四大不調の原因になりますが、『出曜経』九には、大食の五患が説かれています。
それは、
1、 大便しばしば
2、 小便しばしば
3、 睡眠多し
4、 身重く修行に堪えず
5、 患多く食消化せず
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