生きるのにもっとも重要なものは自転車、次はシイタケ、
と長男が言う。
コイツは科学こそ人類の未来を輝かしいものにするはずだ、と勉強しているようだけれど、読経もそこそこになってきた。
僕は幼いころ、ヘリコプターをヘリクトパーとしか言えなくて大人に笑われたけれど、耳からのみ覚えるとそういうことになる。
門前の小僧次男も耳から覚えた真言の発音は怪しい。
義母の初七日を息子らと勤めていたら、あまりにもおかしな発音で唱えるので、読経中に吹き出してしまった。お義母さん、申し訳ない。
ダライ・ラマの話をしていたら、
ドラエモンがどうかしたの?
と妻が聞いてくるし、
カブのクリームパスタを作った娘から、
これ、何点?
と聞かれて、100点のようにも感じるし、80点のような気もする。
かように眼耳鼻舌身意の感覚はあやふやなものだけれど、それらへの刺激をきれいなものにすれば、きれいな心でいられると考えても良いだろうな。
太陽は物質で、暖かさ、明るさ、いのちを育む、などの働きがある。
同じように脳も物質。そして感じる、考える/悩む、思惟する、記憶するなどの働きがある。
この働きを心と言う。
きれいな音、かぐわしい香り、美しい色、心地よい感触、おいしい味、そのような感覚が脳に伝わって心を作る。
僕らの料理で大切にしているのが淡味。簡単に言うとやさしい味。ホッとする味。
精進料理を食べる人は行者さんだから、優しい慈悲の心で修行ができるようにやさしい味に仕上げる。
料理人もやさしい心を込めて作る。激しい心でやさしい味を引き出すのはちょっと難しい。
やさしい味の料理で作られた血が脳へ流れていれば、そうでないものとは違うだろうな。
家庭の料理もやさしい味に仕上げれば、それを食べる家族が優しくなれるだろうな。
と長男が言う。
コイツは科学こそ人類の未来を輝かしいものにするはずだ、と勉強しているようだけれど、読経もそこそこになってきた。
僕は幼いころ、ヘリコプターをヘリクトパーとしか言えなくて大人に笑われたけれど、耳からのみ覚えるとそういうことになる。
門前の小僧次男も耳から覚えた真言の発音は怪しい。
義母の初七日を息子らと勤めていたら、あまりにもおかしな発音で唱えるので、読経中に吹き出してしまった。お義母さん、申し訳ない。
ダライ・ラマの話をしていたら、
ドラエモンがどうかしたの?
と妻が聞いてくるし、
カブのクリームパスタを作った娘から、
これ、何点?
と聞かれて、100点のようにも感じるし、80点のような気もする。
かように眼耳鼻舌身意の感覚はあやふやなものだけれど、それらへの刺激をきれいなものにすれば、きれいな心でいられると考えても良いだろうな。
太陽は物質で、暖かさ、明るさ、いのちを育む、などの働きがある。
同じように脳も物質。そして感じる、考える/悩む、思惟する、記憶するなどの働きがある。
この働きを心と言う。
きれいな音、かぐわしい香り、美しい色、心地よい感触、おいしい味、そのような感覚が脳に伝わって心を作る。
僕らの料理で大切にしているのが淡味。簡単に言うとやさしい味。ホッとする味。
精進料理を食べる人は行者さんだから、優しい慈悲の心で修行ができるようにやさしい味に仕上げる。
料理人もやさしい心を込めて作る。激しい心でやさしい味を引き出すのはちょっと難しい。
やさしい味の料理で作られた血が脳へ流れていれば、そうでないものとは違うだろうな。
家庭の料理もやさしい味に仕上げれば、それを食べる家族が優しくなれるだろうな。
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