あらゆる迷い苦しみは「三毒」が原因と仏教では考えます。それは、
1、貪り
まあ、いいか、と諦めれば良いのだけれど。
腎臓が悪い人(タンパク質が過剰な人)はそれができない。
2、怒り
笑って済ませれば良いのだけれど。
肝臓が悪い人(脂肪が過剰な人)はそれができない。
3、無知
無知は無智とも無痴とも無癡とも書きますが同じこと。
貪りも怒りも無知ゆえに生じます。
だから、
すべての原因は無知。
『大日経』六十心にある癡心は
他人の言葉をうのみにして、是非善悪をわきまえない心。
噂話や、テレビや新聞で得ただけの情報で、
理論的バックボーンの無い話を真面目に扱う人のことですね。勉強しないこと。
ちなみに大日経では、
この六十心(実際には人の心は百六十心に分けられる)をひとつひとつ分析して観察し、
そのコントロール法をトレーニングして、実の如く自心を知るのが「悟り」
しかし、
金剛頂経では、
その長い観察過程を、仏をイメージして真言を唱えるだけで代替できるようになります。
また、
今の自分の(自分流)の意見が正しく、
それは昔も同じである、他の世界でも同じである
と思うことも、無知です。
事実ではなく感想に重きを置くのが無知。
昔は違う考えかた、立場であっただろう。
他の地域では違う意見だろう
と考えるのが正常 。
20年ほど前、肝臓病を治す呼吸法は3回呼吸するだけ、
と藤平先生から教わった時、
本当にそれで良いのかと思い、
自分では10分20分30分と、
長く続けたほうが効果があると思って実践していました。
でも、
ここ数年、僕の修法時間も短い。
昔は、できるだけ長時間座っているほうが効果的と思っていましたが、そうでもない。
一分間に一呼吸くらいなら、
三回呼吸すれば十分効果的です。
このように、
身体が覚えるには時間がかかる。
無知はこのようにトレーニングでも除かれるから、
何事も淡々と続けるのがよろしい、
と考えています。