僕らはお葬式で、
引導作法という所作を行います。
これは、
「引導して正法に入らしむ」(『大日経疏』)
ということですが、
故人を出家させお授けをしています。お坊さんにしているわけですね。
僕らが生きている間に、得度して僧侶になったのと同じ作法です。
仏弟子としての戒名をつけ、戒律を授け、
自坊にて香華を供えて引導作法を修します。
死者の所へは金剛杵を持ち、仏の三昧に住するための観想と読経、念誦をします。
これはもちろん、
仏に成る、成仏する、悟る
ためです。
迷いを悟りに変える。
仏とは大日如来のことですから、大日如来になるためです。
大日如来は宇宙の象徴で、悟りそのもの。
真言宗の引導作法で他の宗派と違うのは灌頂(かんじょう)を行うこと。
密教の戒律や印・真言・資格を授けて、正統な大日如来の継承者とするための儀式です。
つまり、
葬儀ではお導師さんが故人の師となります。
そして悟りに導く。
故人のみならず、
ご遺族ご親族を悟りに導きます。
お葬式は、
生死と涅槃(迷いと悟り)が無別である、
それは、自分と仏が同じであること、
を体得する機会です。
それが、人格の完成と、安心と平安を得ることにつながります。
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