仏教は教理を経典や論書で勉強し、
禅定などの修行の実践によりそれを確認します。
真言密教の修法(確認方法)は念誦と護摩。
これを体得すればおのずから他を救済できます。
そのためには何度も繰り返す修練が必要。
大山公淳先生の『中院流日用作法集 伝授録』には
「祈祷とはおがむことである。おがめば必ずおかげがある。このことを心におかなければならない」
「因業を滅して本不生の世界( 毘盧舎那の世界)に入るのである」
「このようにして五大、六大の神秘不可得を直観して 毘盧舎那の世界に入我我入する時、諸病が治癒されるわけである。吾等人間の身の上に覆いかぶさってくる種々の悩み、病気は、この 毘盧舎那の世界に入ることによって解決されるわけである」
とあります。
諸病の原因は『十住心論』にあるように根本的な無明であり、
毘盧舎那の世界に入る方法は、字輪観、五字厳身観、五相成身観。
仏の心に成れば(戻れば)、仏の身体になる
と云うのが密教の立場。
病者加持法は、日常の供養法で本尊加持の後に修法するのが良いと思う。
これは、開眼作法も引導作法も同じ。
しかし、受者宅などではそうもいかないので、
読経の中で所作を行うことになります。
その際、三平等観に住することがもっとも重要で、
そうでなければただのお遊びになってしまう。
般若心経なら、
秘蔵真言分の真言を二十一編唱え、最後の一回で真言に合わせて九字を切る。
その際、臨を望に変え、吽字を観想する。
この吽字はア、カ、ウ、マの四字に別れ、
因業による吾我を損減して本不生の世界に入ることを意味する
と『吽字義』にあります。
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