「ぶもおんじゅうきょう」と読みます。
インド伝来ではなくて、中国で作られた儒教的な内容の経典ですが、日本ではポピュラーなお経のひとつです。
最近の世情を見ていると、僕はこの経典を思い出す。
子は、母の懐を寝床とし、母の膝を遊び場とし、母の乳を食物とし、母の情をいのちとしている。
お腹がすいて何か食べたい時、母が食べさせてくれる。
喉が渇いて何か飲みたい時、母でなければ飲ませてくれない。
寒い時、母が着物を着せてくれる。
暑い時、母が脱がせてくれる。
飢えて苦しい時も、母は口に含んだものさえ吐きだして、子に食べさせる。
寒さに苦しい時も、母は自分が着ている服を脱いで子に着せる。
そんなふうに育てているんだもの、いくら心配しても足りないくらいだよね。
母は家を離れて仕事をしていても、我が子が泣き叫んで、お母さんを恋い慕っていると思えば、胸が騒ぎ、心が驚き、すぐにでも家に帰る。
子は、その母が帰ってくる姿を見れば、喜んで母のもとに向かい、乳をもらう。
「これ両情一致、恩愛のあまねきこと、またこれに過ぎるものなし」
母は、
自分が好みの衣服は、みな子に与えて着せ、
自分は古い破れた着物をまとう。
だけど、子は大きくなると、友達や恋人や夫婦を大事にして、親を疎んじるようになる。年老いた親が頼るのは子しかいないのに。
親は、生きている間ずっと、子に何かあれば身代りになろうと思い、自分が死んでからも、我が子を護ろうと願っているのに。
お釈迦さんは言います。
父母のために、心力を尽くして、あらゆる供養をし、三宝に帰依し、父母の心を安穏にするよう努力するべきである、と。
実家で親の介護をしている妻から毎日電話がある。
「子どもたちは元気?」 |
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