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高野山 金堂の本尊
昨年は高野山開創千二百年で、大伽藍金堂のご本尊が80年ぶりご開帳になりました。

金堂は昭和元年に焼失し、その後再建され、高村光雲作のご本尊がおまつりされますが、長く秘仏のままでした。

それ以前も秘仏だっため、尊像を見た人はごく少数で、どのようなお姿かはほとんど知られていません。

「金堂焼失記録」(高野山霊宝館)
http://www.reihokan.or.jp/bunkazai/nenpyo/kondo-k.html

その本尊が薬師如来なのか阿閦(あしゅく)如来なのかは 鎌倉時代から両伝あります。(『高野山秘記』、『覚源抄』など) 

今も、金堂の看板には本尊 薬師如来とあり、高野山のホームページにも阿閦・薬師両方の記載があります。


僕らは修行時代に

高野山は修行道場であるから、その本尊は阿閦如来である

と習いました。

阿閦如来は金剛界マンダラの中心・大日如来の下(東)におわします。

 
大日如来の徳を四つに分けたひとつが阿閦如来、

鏡がありのままに映し出すような大円鏡智と菩提心の徳を司る。

はるかなる過去において、

大日如来の説法を聞き、大誓願をたてて修行し、成道し、東方妙喜世界に住する如来になりました。

お姿は降魔の印。触地印とも云いますが、右手で大地を指す。



大地は総てを育てる基盤=仏道修行の菩提心

堅固な菩提心は煩悩の魔軍を降伏する、ということの象徴。

つまり、修行が完成された姿です。


その世界に生まれようと志すものは修行を励むべき、

と『阿閦仏刹諸菩薩学成品経』にあるので、修行道場の本尊とします。




薬師如来は曼荼羅には描かれていません。

薬師瑠璃光王如来と云い、

東方瑠璃光世界の教主、ここは浄瑠璃世界とも云う。

人形芝居の「浄瑠璃」は、

女主人公・浄瑠璃御前が、薬師如来に願って授かった子で、薬師如来の浄土である浄瑠璃世界にちなんで命名されたから。


薬師如来は十二大願をもって修行し、仏になります。

その内容は
 
1,光明普照
2.随意成弁
3.施無尽仏
4.安心大乗
5.具戒清浄
6.諸根具足
7.除病安楽
8.転女得仏
9.安心正見
10.苦悩解脱
11.飲食安楽
12.美衣満足

この中には、現世利益と心の利益両方ありますが、主なのは、

病苦を救い、根源的な無智の迷いの病を癒す

ということ。

『薬師本願功徳経』第七 除病安楽に、

もし諸々の人ありて

はやり病のせまりきて

救う人なく帰られず

医者もおらざり薬なく

親もおらざり家もなく

貧しさ きわまり苦しむに

薬師如来の名号を

ひとたび耳にするときは

不思議や病は除かれて

心身ともに安楽に

家族資本も備わりて

ものみな豊かに足りぬべし

その上さらに無上なる

悟りの道をあかすべし

とあります。



お姿は、

右手は掌をこちらに向けた施無畏または与願印

左手に薬壷を持つ。

右に月光菩薩、左に日光菩薩

周囲に薬師十二神将がおまつりされていることも多い。

行者は修法の際、

薬壷を観想し、その中に十二大願の薬を入れ、衆生の心病を度す

と観想します。


以下、「 続・高野山 金堂の本尊」:  http://shintenan.syoyu.net/Entry/1031/

へ続く。







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[ 2016/12/15 11:28 | Comments(0) | 眞天庵仏教塾・密教塾 ]

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