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12-1、悟りの周辺・大日如来
お大師さんの生涯で、

都の大学を辞めた19歳のころから、遣唐使の留学僧として唐に渡る30歳までの間は、どこで何をなさっていたのか不明な点が多いのですが、

その間、おそらく大日如来を拝んでいたのではないか

と金山穆韶先生はおっしゃっています。


大日如来は密教の中心的な仏です。

曼荼羅の中央におわしますが、あまりにごつくて近寄り難い面もある。

オールマイティ、完全者、代表取締役CEO、終身名誉監督・・・。

あまりにもすごくて分かりにくいので、マンダラ世界では役割が分かれている。

阿弥陀さん、観音さん、お不動さん、お地蔵さんなど、それぞれ大日如来の働きを分担しています。総務人事経理営業製造などの現場に分かれているように。

なぜなら、人の宗教的資質はさまざまなので、それぞれに人の心に合う仏になって、お導きくださる、という感じかな。


大日如来の根本は智慧と慈悲

その性質は

1、除闇遍明(ジョアンヘンミョウ)

大日如来の智慧の光は、遍くすべてのものを照らし、闇を消す。
 
太陽の光は必ず影を作るけれど、大日如来の光は隅々まで照らし、影を作らない。


2 能成衆務(ノウジョウシュム)

大日如来の慈悲の光は、あらゆるいのち、存在を生かします。


3 光無消滅(コウムショウメツ)

大日如来の智慧と慈悲の光は世界と共にあり、永遠。

太陽には寿命がありますが、仏は永遠です。


何よりも、大日如来の思想がそれまでと決定的に違うのは、

大日如来は生きている、そして、我々に理解できる姿形で説法している。

その内容は、悟りの内容である

ということ。 



目に見える自然現象や、真言という言葉で説法しています。

だから、

ただの雑草ではなく、それが薬草である、という目があればその説法が見える。

真言を学び習得すれば、その説法を聞ける。

 
そして、

誰でも大日如来を悟れば、そのまますぐに成仏できる、大日如来になれる。


さらに、

悟りの境涯はすでに永遠の昔から「説法」し続けていて、私たちにはそれが聞こえず気づかないだけ。ラジオの性能が悪いから電波をキャッチできないだけ。

密教の修法である「三密行」(手に印を結び、口に真言を唱え、心に大日如来を観じる)
によって、気づき聞こえるようになります。

三密行によって如実智自心(あるがままに己が心を知る)が得られますが、その瞬間、僕らは大日如来を悟り、大日如来になります。


そのことを、お大師さんは

「大日如来のみいまして、無我の中において大我を得たまえるなり」 (『吽字義』)

ただ大日如来のみいまして、はからいの小我を超えた無我のなかにおいて、本当の我を身につけられる

と言っています。

大日如来も僕らも、同じ縁起で、同じ元素で作られている、という感覚でいればいい。


恩師・田中先生の講話集 『大日如来に抱かれて』から引きます。

  「わしが値打ちがあるんだということを自分が努力して知ることだと言うふうに思って一生懸命になることでなく、

下駄を向こうに預けてね、 大きなものの中で、 自分がいつのまにか、 自分を忘れる、

そこには大きなものしかないんです、 大いなる如来がましまして、 私はもう無限の世界に消えてしまっている。 このように知ることを如実知自心という」


「一切世界は大日如来遍満の世界だ。 どこもここも六大、 ここもあそこも大日如来。 結局大日如来という、 広大無辺の世界の中で、 われらは泳いどるようなものです。」  

「本当に大日如来の信仰があるんだったら、 そのときから大日如来の命をわが命として、 世間に向かうというふうな、 それが即身成仏だったら、 即身成仏というのは、 自分ひとりが悠々自適ちゅうじゃないですわ。 自分が智慧に生き、 自分が慈悲に生きるといいますか、 特に、 私が慈悲の権化の、 慈悲のかたまりのようなもんを一面に持っておらんことには、 即身成仏もヘチマもないんですから」

 
「われわれには我というものがあって、 なかなか決まったことが無条件に信受出来ない。

だから全部が全部、 悟りを開いておる、 大日如来ならざるはない、 一切世界が元々から大日如来なんだ、 もう何もかもそうなんだと言われたけれども、 私は漏れるー私もその中に漏れとるわけでもなんでもないけれども、 本当かいな、 ということになって、 どうもそういう受け入れにくいと。

それを受け入れやすくするところに、 人間の試みがある。」


土の一塵の中に、

宇宙全体に

我が身に

一切衆生の身に


大日如来という名の慈悲と智慧がある、

と信じることが基本です。




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[ 2015/06/04 12:50 | Comments(0) | 眞天庵仏教塾・密教塾 ]

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