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『般若心経秘鍵』の頌を読む 12

最後の偈頌は少し長い。


我、秘密真言の義に依って
われ ひみつしんごんの ぎによって
略して心経五分の文を讃ず
りゃくして しんぎょう ごぶんの もんの さんず
一字一文、法界に遍じ
いちじいちもん ほうかいに へんじ
無終無始にして、我が心分なり
むじゅうむしにして わがしんぶんなり
翳眼の衆生は、盲て見ず
えげんの しゅじょうは めしひて みず
曼儒・般若は能く紛を解く
まんじゅはんにゃは よくふんの とく
この甘露を灑いで迷者を霑し
このかんろを そそいで めいじゃを うるほす
同じく無明を断じて魔軍を破せん
おなじく むみょうをだんじて まぐんをはせん


『般若心経秘鍵』の冒頭に、

「仏法は悠にあらず心中にして即ち近し

 真如ほかにあらず、身を捨てて いづくにか求めん」

とあり、

この最後の頌に、

「一字一文法界に遍じ、無終無始にしてわが心分なり」

と、同じような趣旨の文があるのは、

本来我々は仏である、悟っている、大きく素晴らしく、自性清浄である

という事が主題だからでしょう。

このことは、それを知らない人もそうであり、

悟るのは自分自身です。


終わりに、栂尾先生の訳を載せます。



我いま秘密真言の義趣によって

この心経の分を五つに分かち

略してその深義を讃述した。

この心経の一字一文がそのまま、法(のり)の仏にして

ひとつひとつが、天地のいたるところに遍満し

それがそのまま終わりも始めもなき、

不生不滅のわが一心の分徳である

しかるに心の眼のくらみたる衆生は

その盲のためにそれを観ることができない

ただ、文殊菩薩と般若菩薩ありてのみ

この迷いの乱れを解くことができる


願わくは、この甘露の法雨をそそいで、

あらゆる道に迷えるものをうるおし、

内には、同じく愚かさのきづなを断ち

外には、魔軍の障りを砕き破らんことを




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[ 2019/03/16 09:20 | Comments(0) | 米ぞうの家 ]

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