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戒名と成仏の関係
『密教辞典』(法蔵館)には、


かいーみょう [戒名]

(1)三帰戒を受けて仏門に入った者が授けられる名。

インドでは剃髪出家すれば、もとの姓を棄てて総て<沙門><釈子>を称した。

中国・日本では、出家すると俗称を棄て俗名を改めて法名(法号)を用い、

在家では受戒した者に戒名を授ける。

密教では授菩薩戒法則があって三帰十善戒のほかに菩薩戒を授けるのが特色で、

前行には7日間を要する。

更に、結縁灌頂の際に、投華得仏で選ばれた有縁の尊号に因んで2字の戒名を授けるのが密教での本義である。

とあり、

次に(2)として、

現在の死者につける法号について書かれています。

上の三帰戒は、

仏法僧の三宝に帰依することを誓う戒。

ただし、

これは風習のひとつで、戒名の典拠となる仏典は無い。




僕は在家出身で、生まれた時に親から「祐介」という名をつけられ、

高野山で出家得度の時に師僧から「晃仁」という僧名(戒名、法号)を貰いました。

その後、菩薩戒ほか、262の戒律を授かります。


お葬式は出家授戒作法のひとつなので、

死者を剃髪、授戒し、戒名を授けて仏道修行者とします。


仏教の基本のひとつが戒・定・慧の三学。

戒律が土台となり、心を静かにまとめる座禅瞑想修行をして、仏の智慧を得ます。

だから、

大切なのは戒律と修行。

それが必須で、戒名をもらうだけでは成仏しない。


僕らは生きているので、

精進工夫して成仏する可能性がありますが、

死者はどうでしょうか。

肉体を使う修行はできないけれど、

何か他の方法があるかもしれない。

成仏(悟り)を得る可能性(仏性)は残されているはずだから、

それを祈願する、

というのがお葬式や法事なのでしょう。



日本では昔から実名(名乗り)と通称があります。

実名は訓読みで、めでたい字を使う。

信長(のぶなが)や秀吉(ひでよし)など。

尾張守や太閤殿下が通称になるのかな。


他人がその人を実名で呼ぶことは無い。

名前は大切なのもだから、当人が公文書に署名するときなどに使うのみ。


今の天皇は明仁という名だけれど、他人がその名で呼ぶことはしない。

陛下や殿下と呼ぶ。


武田晴信が実名で、信玄は法名。

上杉景虎が実名で、謙信が戒名。

のように、

戒名(法名)で呼ぶことはあります。


そして、

人の名前を音読するのは敬意を表し、

本人は訓読して音読はしない。

菊池寛は「ひろし」が本名だけれど、「かん」と敬意をもって呼ぶ。

松本清張も「きよはる」さんではなく「せいちょう」。


お寺の子は、

親からもらった名をそのままにして、得度したら音読みすることは多い。

孝雄(たかお)が孝雄(こうゆう)になるなど。

僧名は敬称ということなのだろうか。

そもそも、

戸籍には読みがなは無いから、音でも訓でもどちらでも良いのだけれど。


僧名(戒名)は源氏名である、

と云ったお坊さんがいたけれど、

ニックネームでもハンドルネームでも、

名前を変えると気持ちが変わります。

戒名によって、

修行しようという気持ちになれば、とてもよろしい。



持戒しないのに戒名は不要であり、

戒名があるのは修行すべき人です。 

それが成仏への方法。


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[ 2017/10/01 10:11 | Comments(0) | 米ぞうの家 ]

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