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呪文
多くの経典でブッダは医王とも呼ばれ、

心身の病を癒して安心を与え、それから悟りへ導こうとします。

仏教医学の中でもっとも有効なのは栄養学(食時作法と食事療法)ですが、そのほかにもさまざまな方便があります。

たとえば懺悔は、

病因は自己の悪業の報いだから、懺悔によって病根が断たれる。

と考えます。少なくとも、心の安定(思いかたを変える)には役立つ。

また、

『準提経』には、

加持の手を以って二十一回頭をなでれば、たちまちに頭痛は快くなる

という触手療法が書かれており、

これは西式健康法の合掌行に似ています。

ちなみに、準提観音は高野山では得度の本尊ですが、

安産や延命の祈祷でも本尊として拝まれます。


成熟した密教では、呪文は転迷開悟・離苦得楽、

つまり、心を調え静かにし、悟りのために唱えるものですが、

元々は現世利益を目的としていました。

病気を治す呪文はさまざまな経典にありますが、

特に、不空羂索観音と十一面観音 の真言は、その効果が詳しく説かれています。

『十一面観世音神呪経』には、

十一面観音の神呪(心真言、高野山では根本呪とか大呪と云う)を、

 早朝に百八遍唱えることで、

病気にかからない、毒薬や虫の毒に当たらず、悪寒や発熱等の病状がひどく出ない、

金銀財宝や食物などに不自由しない、などの十種の勝利が説かれています。

また、

この観音と聖天を一緒に、この心真言によって作法しながら拝むことで、

すべての身中障難が消滅するともあります。

この心真言は梵字で65文字あり、

唱えるには修練が必要ですが、十一面信仰が広まった背景には、その功徳が期待されたからと考えられます。

真言は、すべての人を悟りに導こうとする菩提心(悟りを求める心、迷う前の自分を知る心)を呪文化したものですが、

これを唱えることがなぜ、治病や健康に効果があるのかは、次回に書きます。

 



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[ 2017/04/12 10:11 | Comments(0) | 仏教医学研究 ]

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