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なぜだろう?
信仰の世界には

なぜそうなったのか、

いつから行なわれているのか、

が分からないものが少なくありません。

 
その始まりは、

純粋な信仰からのものもあり、

誤解や意図的な誤りもある。

土着の思想信仰から生まれ、融合されたものもある。

宗教ビジネスや為政者の都合で作られたものもあり、

権威や名誉を守るために続いているものもあります。


単純に信じていれば害が無く、心を安らかにするものもありますが、

そうでなく、不安や悩みを誘うものもある。

信は証を伴うべきもので、

目的とそこへたどり着くまでの方法を信じることは重要ですが、

なぜそうなのか、本当だろうか

と疑うことも大切です。そうしないと真実にはたどり着かない。



さいたま市の霊園で法事をつとめたら、

その会場の本尊が十三仏の掛け軸でした。


https://www.butsudanya.co.jp/shop_jyusanbutsu.html
(仏壇屋 滝田商店の十三仏掛け軸)

仏さまのオールスターみたいですが、

初七日の本尊に不動明王、

二七日がお釈迦さま、

三七、四七、五七、六七と続いて、

七七(四十九)日がお薬師さん、

更に、

百か日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌と続き、

三十三回忌が虚空蔵菩薩。

全部で13回の年忌、つまり法事の本尊として十三仏。


これを掛けるのはよくあることで、それはそれで良いのですが、

なぜ初七日がお不動さんで、三十三回忌が虚空蔵さんなのか、

なぜ、四十九日までは七日おきなのか、

なぜ、この順番なのか、


理由は無いのですね。

いつの間にか何となく決まった、

いつのまにかそういう習慣になった。

もちろん、日本の習慣です。


十三の仏はそれぞれ密教の重要な尊格で、

儀軌や経典に出典がありますが、

なぜ、この十三尊が選ばれたのか、  

どのように決めたのか

は不明です。


中国で造られた『仏説預修十王生七経』と、

日本でまとまった『仏説地蔵菩薩発心因縁十王経』

を起源とする説が多いですが、

七日おきに区切る根拠は無く、

当然ながら、インド仏教には無い思想で、

したがって、悟りや成仏、成菩提といった仏教教理とも関係ないでしょう。


中国では、

三回忌までの法事は、遺族の服喪期間で、死者に関することではありません。

十王に相当するのは三回忌までですから、

それ以降は両経典でも確認できない。

ちなみに、

故人を中有七七日まで追善供養することは、

『大灌頂経』や『梵網経』に見られます。

なので、

百か日、一周忌、三回忌は中国の風習や『十王経』によるもので、

七回忌以降は日本の風習で、起源はあきらかでない。


いずれにしても、

仏教が関わらなくても祖先崇拝は自然の感情ですから、

毎日拝むのがよろしい。


『弘法大師逆修日記事』

という十三仏信仰を権威付けするために作られたものや、

十三仏の配列は浄土系の僧によって作られた、

などの研究論文があります。

教理の無い民間信仰が広まる様子が、少しづつ解明されるようで、

とても面白い。


最近、読んだのは、

『現代密教 23』十三仏信仰の意義 宮坂宥洪

『地蔵十王経』考 印度學佛教學研究 Vol. 51清水邦彦 

『 十三仏について(上)』 金沢文庫研究 通号 234

『十三仏信仰の儀軌としての『弘法大師逆修日記事』渡辺章悟  曹洞宗研究員研究紀要 21

『十三仏信仰と十三塚』佐野賢治  神奈川大学日本常民文化研究所調査報告 第十集








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[ 2017/11/01 12:29 | Comments(0) | 眞天庵仏教塾・密教塾 ]

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