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[ 2024/12/22 17:33 | ]
秋冷
この冬、久しぶりに寒い高野山に上る予定です。


恩師・田中千秋先生のお葬儀でいただいた引き物は扇子。

そこには先生の字で

「南山松石看不厭」

と書かれています。

南山の松石は看れども厭かず。

お大師さんの『性霊集』にある言葉で、南山は高野山のこと。

山にある松も石も、鳥のさえずりも虫の鳴き声も、この秋の風景も、いつまでいてもあきることがない。全て仏さまの説法の姿声である、ということ。

高野山の何もかもが美しいわけではないけれど、奥の院へ参ると僕も「南山の松石はみれどもあかず」



田中先生はよく、

「遇うと遇わざると何ぞそれ遼なるや」

という、やはり『性霊集』の言葉もよく書かれました。

この言葉の前には、

大きな重い石も船に載せれば海に浮かんで遠くへ運ぶことができる。

小さな蚊も、鳳の羽に止まっていれば、天を飛ぶこともできる。

とあります。

お大師さんが唐で師の恵果和尚に遇ったときの言葉ですが、

密教に遇うと遇わないとでは雲泥の差がある、

ということ。


あなたに会うと会わないとでは、人生が全く違ってくる

ということは僕にもあります。


遇うと遇わざるとで大きく違うのだ、ということを省みもせずに、明日も明後日も何事もなく生きているだろうと、無邪気に考えてしまうこともあるのだけれど、いやいやそんなことはないんだ、もっと毎日真剣に生きるべきではないのかな、お釈迦さんの最後の言葉も、

怠ることなく修行に励みなさい

だったではないか、

としみじみ思う秋冷でございます。
 
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[ 2012/10/08 06:54 | 米ぞうの家 ]



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